ここしばらく、東京が世界を支えています。
昨日の日経平均はジェットコースターのようでした。
しかも、徹頭徹尾、「先物主導」の相場展開です。
異常に安く寄り付いた後、瞬時に200円近くも反発。
その後、前場いっぱい、ずるずると下げていったと思ったら、
後場にかけて行われた先物主導の強烈な「売り仕掛け」によって、
一気に崩されてしまいました。
ツイッターでもリアルタイムでつぶやきましたが、
緊急欧州首脳会議までまだ時間がある上、
朝方から「銀行破綻」の「噂」があちこちで拡散されており、
しかも下げ局面で有力な歯止めもPKOの兆しもなかったため、
「ここが勝負」とばかりヘッジファンドが仕掛けてきたようです。
そして、これもまたツイッターで「大台狙い」と書いたとおり、
先物が「大台」2万円をタッチしたと同時に売り圧力は終了。
(このあたり、時々刻々の「相場観」はツイッタ―を検証してください)
その後、ギリシャの財相辞任のニュースとともに、
先物相場は一気に反発し、夕方にかけて300円近くも戻しました。
終わってみれば昨日は427.67円安となり、
「下げた」という印象の強い報道で埋め尽くされましたが、
私としてはちょっと違う感覚を抱いています。
確かに、「ギリシャの国民投票否決」というニュースは、
「噂」や「思惑」で市場を攪乱したい人々にとっては格好の材料で、
実際、日経先物は一時2万円にタッチするまで売り込まれました。
典型的な「先物主導相場」です。
ところが、ギリシャ財相が辞任し、欧州首脳との交渉が進むとの「思惑」が、
一転して、日経先物を数時間で300円近くも大反発させています。
「銀行が破綻する」だの「南欧諸国に波及する」だのという、
真偽不明の「噂」が支配するうちは市場は大いに荒れましたが、
欧州の指導者達は理性をもってこの問題に対処し、
システミック・リスクを引き起こさない努力をすることが伝わると、
やはり、日本市場の「先高感」を反映して相場は上昇しました。
私の「相場観」としては「不意をつかれた驚き」もさることながら、
「今の日経平均は強い」という印象も強く残った一日でした。
一応、昨夜の欧米市場は、東京の下げに引っ張られて全面安でしたが、
欧州緊急首脳会議で指導者の足並みが揃うのは好材料です。
その証拠に、NY市場にはもう下げ止まりの兆しがあり、
今日、明日と東京が順調に戻していくようであれば、
相場の流れは反転していくかもしれません。
相場の動きをみると、ここしばらく、東京が世界を支えています。
もっとも、別にこれは「だから日本はすごいんだ」みたいな話ではなく、
前号メルマガ(第63号:7月5日)に書いたような事情によって、
世界的な資金循環で、一時的にリスクマネーが東京に集まる現象の話です。
(私は愛国者ではありますが、年がら年じゅう「日本はすごい」と、
●●の一つ覚えのように自己陶酔することはないように心がけています。
真の強国は自制心と謙虚な内省の結果、絶えざる脱皮によって培われます。
これができなくなったら、もう、進化も進歩も止まってしまいます。
歴史をみても、周辺国をみても、根拠もないのに夜郎自大に陥り、
他国をバカにするようになると必ず滅んでしまうものです。)
無論、完全に相場環境が落ち着くかどうかは欧州首脳会談次第ですから、
その結果がはっきりするまでは、方向感のない相場が続くかもしれません。
「不透明感」が残る限りは大きく上昇するはずはありません。
さりとて、金融システムが破壊されて底が抜けたわけではなく、
「噂」と「思惑」で上下に振られているだけの話ですから、
ここから売り込んでいくにはリスクが高すぎます。
いずれにせよ、ささいなニュースひとつで、上にも下にも大きく動きます。
昨日も、ギリシャ財相辞任のニュースがあれより1時間前でも後でも、
日経平均の終値はまったく違ったものになっていたはずです。
このように、次の瞬間にどうなるかの予測がまったくできない状況で、
その、わからないところを無理に勝負するのは「丁半博打」ですから、
私の「時鳥トレード」のセオリーからいえば、
ポイント、ポイントで小さく稼ぐことはあっても、
株価位置をもとにした「安心、安全、堅実」なエントリーとは、
ちょっとほど遠い相場展開であるというしかありません。
とりわけ、SQ週の火曜、水曜は何が起こっても不思議ではなく、
「鉄火場」としては「パチンコよりおもしろい博打」ではあっても、
それ以上でも、それ以下でもありません。
「ギャンブル」が好きという方以外は静観すべき局面だろうとは思います。
「東京が世界を支えている」とはいえ、その東京の「屋台骨」が、
そして、誰も知らないうちにぽきんと折れる可能性もありますので、
私はそちらを注目していることも前号メルマガに書いたとおりです。
いずれにせよ、内外の情勢とも、今週、来週が「正念場」です。
この話はまた、次号メルマガ(第64号:7月12日発行)で。
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