根拠なき上昇にはつきあわない
滋賀県知事選での敗北は、安倍自民党にとって潮目の転換点になりかねません。
地方選挙、ことに首長選で自民党に大きな負けが目立つようになり、
調布市長選など、自民党候補が倍以上の得票差で敗れるケースなど、
公明党の明らかな「造反」も散見されるようになりました。
メルマガ等で何度も書いているように、安倍政権の足元はそれほど盤石ではありません。
そして、外国人投資家は、安倍政権の「権力基盤の強固さ」と「経済改革への意志」の両方を、
冷静に眺めていますから、「支持率が下がりつつあるのに安全保障問題で突っ走る」という姿は、
やはり「火遊び」にみえてしまいます。
この後、沖縄、福島と重要な知事選を経て、来年の統一地方選の洗礼が待っています。
内閣改造を経て、秋以降の政権のスタンスがどうなるか、安倍総理にとっては正念場ですが、
外国人投資家はこのあたりの情報を熱心に収集し、極めて詳細に分析しています。
6月の成長戦略の発表でひとまずの「玉」切れとなり、
現時点では政策要因でこれ以上、日経平均を上昇させる根拠がないため、
ここから先は、外国人投資家と日本の個人投資家の動向次第となりますが、
やはりアベノミクスは徹頭徹尾「政策相場」である以上、政権の動きには注意が必要です。
さて。
相場の話に移ります。
そんな「政策相場」でどう生き残るか。
先々週の木曜日、米国雇用統計が極めて強い数字だったことで、
翌週はきっと日米ともに急上昇すると多くの方が予想しました。
実際、金曜日にはNYダウが17000ドルを突破し、
日経平均株価も15500円を伺うかにみえましたので、
「大相場の予感」、「年末には17000円か」などと言って、
興奮気味に囃したてる「プロ」が数多く出てきました。
実際、私も興奮しました。
しかし、多くの「プロ」と私では、興奮の意味が違いました。
「ここから上がるから、今、買え!」と煽る「プロ」に対して、
「根拠もないのに上昇したら、売りのチャンスだ!」と踏んでいた私。
ただでさえ、5月後半からの上昇が不自然極まりないものだったのに、
周囲の声に踊らされて、個人投資家が買うようになってきたら、
相場はいよいよ下落の前兆だというのが私の見解でした。
もっとも、先週月曜早々から日米とも相場がずっこけてしまい、
日経平均はアベノミクス初となる5日連続陰線で引けました。
メルマガ読者の方はご存じのとおり、
先週は、私が確信を持って売りを入れようとしたポイントより、
はるか手前で日経平均が失速してしまったため、
結果として私は儲けることができませんでしたが、
ノーポジションなので「次のチャンス」を待つだけの話です。
しかし、15400円あたりで「プロ」の煽りを信じて買った人々は、
今ごろどんな気持ちで相場を見ておられるのでしょうか。
やはり、根拠なき上昇につきあってはダメなのです。
このまま調整が長く深くなり、
そこに中東危機やチャイナショックがたたみかけてくれば、
おそらく来年くらいまで塩漬けになりかねません。
ノーポジションの私たちは、そうした大変動に「対処」して、
「安心、安全、堅実」なエントリー・ポイントで利益を積み上げますから、
一年を通してみてのパフォーマンスの違いはかなりのものになります。
これを、5年、10年と続ければ、複利の力でその差は途方もないものになるでしょう。
多くの投資家がコツコツドカンで資産を失うのを横目に見つつ、
私たちはやがて、積み上げて大きくなった金融資産を、
適切な方法で永続する富を生み出すアセットに変えることで、
やがて来る、国家破産やハイパーインフレで「富の勝者」が入れ替わるチャンスをつかみ、
大逆転で大富豪への道を歩むのことができるのです。
(この大戦略は「大破綻時代の資産戦略」として、現在、メルマガに連載中です)
・・・私は、そうなるために、このブログやメルマガを運営しています。
ともあれ、今週の見通しです。
先週の5日連続陰線とはいうものの、米国や欧州の下げをそれほど引きずらず、
日経平均はむしろ下値が堅いという印象を受けました。
やはりこれも「政策相場」「官製相場」のなせるわざ。
チャートやセオリーなどほとんど無視した相場の操作、操縦が行われています。
政府が強い意志をもって下を割らせない以上、
NY市場さえ持ち直せば、もう一度、15500円にトライする可能性は残っています。
その場合に、どのポイントでエントリーするかは、
日経平均の「居心地のいい水準」をもとにメルマガに書きましたのでご参照ください。
焦らず、慌てず、飽きず、そして諦めずに、絶好機を待ちましょう。
「安心、安全、堅実」なチャンスは、遅かれ早かれいつか必ず来ます。
いろいろと不可思議なことが起きてきますが、
政権が意志を持って相場を動かそうとしているのであれば、
その「意図」と「手法」を見破ることで、わりと単純にエントリーチャンスが見つかります。
そして、政権の意図はいつもわかりやすく、手法は何パターンかしかないのですから。
★メルマガのお申し込みはこちら⇒「申し込みページへ」
※当月中のお申込みいただいた方には、当月発行分のバックナンバー(11号:7月6日発行、12号:7月13日発行)が届きます。
【↓↓↓いつもお読みいただいて、ありがとうございます。少しでも参考になった方、面白いと思われた方は、以下の3か所にクリックをお願いします↓↓↓】
※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。
コメントを残す