世界構造に「地殻変動」の兆し。
昨日の日経平均は大幅続落。
新型コロナの感染拡大に加え、
マイナスに沈んだ原油価格が、
市場の不安を再燃させました。
また、北朝鮮の金正恩氏が、
手術後に重体に陥ったという、
真偽のわからぬ報道もまた、
市場の心理を冷まさせました。
いずれも注意が必要な話です。
前号メルマガ(第313号:4月19日)で、
その背景と影響を分析したところですが、
「逆オイルショック」の衝撃は、
金融市場も直撃するものですし、
中東やロシアの財政状況如何では、
地政学的な意味での混乱が起きて、
世界経済を動揺させる懸念もあります。
また、北朝鮮の体制がどうなるかは、
周辺国を巻き込む不安定要因であり、
ここに「力の空白」が生じることは、
非常に頭の痛い厄介な問題となります。
「コロナ禍」そのものの痛みに、
「逆オイルショック」の衝撃と、
「地政学リスク」の不安再燃と、
3つの悪材料がいっぺんに出ては、
日経平均が上昇を維持するのは、
さすがに無理であったといえます。
一応、現時点で原油価格については、
「短期的なもの」とのアナウンスが、
トランプ大統領から出されており、
解決に向けた国際協調の機運も、
産油国の間でないわけではありません。
また、金正恩氏の容態については、
重体説を否定する報道も出ており、
確認ができるまでなんともいえません。
こうしたこともあって日経平均は、
底が抜けたような大崩落ではなく、
下落の幅も限定的になっています。
ただ、こうした悪材料が重なって、
しかもそれらが長期化してくると、
経済のみならずあらゆる方面で、
無理と歪みが生じてくる懸念があり、
それらのひとつひとつが深刻な、
市場の爆弾となって燻っていきます。
次号メルマガ(第314号:4月26日)では、
「地政学リスク」を含む大きな観点で、
国際政治的な要因も加味した上で、
今後のシナリオを分析しますが、
世界構造に「地殻変動」の兆しもあり、
なんびとも想像してなかった方向に、
情勢が急転回する懸念はありますので、
どういう展開を辿ることになっても、
対応できる備えは必要であるといえます。
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