先週の日経平均は「節目」の攻防で、

そのまま上に行くか下に行くかという、

「分水嶺」ともいうべき状況でした。

メジャーSQは波乱なく通過したものの、

急浮上する世界と日本の「景気後退」の懸念に、

日経平均は週末にかけて大いに失速してしまい、

「節目」の攻防にいったん敗れた格好です。

世界的な「景気後退」の懸念だけでなく、

米中両国の首脳会談はいつになるのか、

英国とEUとの協議は進むのかといった、

非常に重要な問題にも明快な答えはなく、

若干、先行きを疑問視させる発言が出たのも、

日経平均の下げ要因となってしまっています。

相場格言の通りであれば、

この「節目」の攻防に敗れた後は、

株価は好ましからぬ方向に向かってしまいます。

無論、前号メルマガ(第255号:3月10日)で、

詳しくその中身を指摘したように、

日本政府・日銀は事態を楽観視せず、

必要な対処策を講ずるべく今後の日程を、

大幅に組み直す可能性も視野に入れて、

右に左にと激しく動いているところですが、

安倍政権がコントロールできない与件も多く、

日経平均を再び強気の方向に戻せるかは、

海外情勢の推移に大きく左右されもします。

ひとつ良い話といえるのは、

米中が為替政策への介入を避ける形で、

合意を成立させる可能性があることです。

これが事実なら日本政府・日銀の人々にも、

一縷の望みがつながるといえますが、

交渉当事者の一方の発言がそのままの形で、

双方の最終合意となるのかどうかは、

最後の最後に蓋を開けるまでわかりません。

いずれにせよ、情勢は刻一刻と動いています。

前号メルマガのなかで述べた通り、

月末に向けて「3月危機」の火種も、

また「その先の危機」の懸念も、

まだまだ燻り続けているところであり、

その多くが政治主導の危機といえますが、

それゆえにどうやって市場を安定させるか、

主要国の指導者達が苦慮し、努力しています。

今月の中旬、そして下旬にかけての展望は、

こうした各国の努力にも左右されますので、

ニュースへの感度を上げておきたいです。

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