昨日の日経平均も続伸。

中国市場の落ち着き、円安の進行の追い風を得て、

一時、22321.60円台に達しました。

しかし、先行きを好感しての買いではなく、

先週、売り込まれた分の買い戻しが主です。

「貿易戦争」の懸念がまだあることや、

直近の上昇速度がやや速過ぎたこともあって、

次第に「戻り売り」に押されてしまってもいます。

だんだん「安過ぎる」と言えない株価位置となり、

さらなる上昇を続けていくには材料が必要です。

明確に「貿易戦争」が解決の方向に向かうか、

政策的な「玉」が待たれるところですが、

まだそうした条件は整っているとはいえません。

「小康状態」でいったん戻した後に、

再び悪材料が出て売り込まれることは、

こういう展開ではよくあることですが、

昨日の引け間際の値動きはそうしたことも、

視野に入れてのものだったのかもしれません。

一方、国内政局は衝撃的な豪雨被害により、

いったん「政治休戦」に入ったはずではありますが、

抵抗カードを封じて大人しくなった野党側に対して、

政府・与党は災害対策とは無関係の委員会を開催し、

かなり強引に審議を推し進めようとしています。

「IR(カジノ)法案」を審議する参院内閣委は、

委員長が職権で開催を強行した結果、

災害対策の陣頭に立つべき石井国交大臣が、

まる一日、委員会に拘束されました。

また、参院の定数改正を審議する倫選特は、

今日の朝の本会議開催に間に合わせるために、

昨日夕刻に審議・採決を強行しようとしたため、

「友党」のはずの維新に阻止されるという、

かなり異例の国会運営が行われています。

野党は内閣不信任案などを封印している中で、

このように審議日程が超速度で進めば、

確かに会期末の攻防はうんとラクになりますが、

災害対策のための「政治休戦」の間に、

こうしたことをやるのが得策かどうかは、

慎重に考える必要があるのではないでしょうか。

自民党の総裁選は「安倍三選で決まりだろう」と、

なんとなく楽観(諦観)ムードが広がってますが、

まだ「絶対優位」と断言するには早すぎますし、

政界というのは常に「一寸先が闇」です。

今週の日程をどう消化するかにもよりますが、

どうも少し気になることもありますので、

次号メルマガ(第221号:7月15日)で述べます。

ようやく支持率が不支持率を逆転したことで、

政権中枢は少し緩みが出てきたようですが、

世論は激しく移ろい易いものですし、

政権の「延命」を賭けた勝負はまだこれからです。

政権が油断して「まさか」を招来するようなら、

日経平均にも巨大な嵐が吹き荒れますので、

気を引き締め、慎重にやるべき局面です。

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