ダウが史上最高値を更新しました。

ウクライナ危機、中国危機、新興国危機と、

年初から投資家を悩ませてきた「グローバル・リスク」が、

いずれも後退しているという「僥倖」もあり、

FRBによる債権購入縮小継続に素直な反応を示した格好です。

米国のアナリストのなかには、

「年内にダウが17000ドルに到達するのは確実」

という意見が主流となっており、

そのレベルまであと一押し、二押しと迫っています。

明日の雇用統計で、

「米国経済は強い」ことが数字でも再確認できれば、

また、一段高となるでしょう。

インデックスファンドを積み立ててこられた方は、

嬉しさがこみあげてくる展開だと思います。

ただ、注意すべきは、

「すべての指標が好調」

「グローバル・リスクが不在」

という、「滅多にない」条件に支えられての最高値という点です。

上部構造物を積み過ぎて転覆した、

痛ましい船の事故よろしく、

ひとつ、ふたつ条件が狂えば、きつい下げが待っています。

明日の雇用統計の後、

順張り投資家に大きな波に乗ることを祈っていますが、

私自身は「最高値」という言葉を聞いた瞬間に、

なんだか身構えてしまいます。

とりわけ、政策の変更(引き締め)が決断されるのは、

外部要因に不安がなく、経済が好調のときです。

金融機関への新たなガイドラインや、

高速売買(HFT)の規制など、

かねてから囁かれている政策が発表(リーク)されたら、

かなりの下げ要因になるので、上値を追うのは注意が必要です。

話を日本に転じます。

好況に沸く米国経済の躍進ぶりに、

日本の株式市場が取り残されているのは、

日本人として、ただただ寂しいばかりではあります。

世界中の主要国を見渡しても、今年、これだけ下げに下げたのは、

世界大戦の危機を演出し、経済制裁をくらったロシアと、

わが日本の株式市場だけです。

本日は、ゴールデンウィーク中の閑散のなか、

NYダウの史上最高値につれて、

14500円手前までには戻しました。

まさに、「閑散に売りなし」ですが、

5月2日の雇用統計の後、

米国市場がさらなる上昇を続けたら、

この「連れ高」も続くでしょう。

ヘッジファンドも、無茶苦茶に売り崩すのは難しくなりますので、

連休明けの相場の安心材料にはなるではないでしょうか。

そんなわけで、明日の米国雇用統計は日本市場にとっても要注目ですので、

その結果をふまえて、連休明けにこの先の見通しを書かせていただきます。

また、メルマガ読者の方には「5月相場の作戦計画」として、

いくつかの具体的な「シナリオ」を、

次号配信(5月2日)でお届けします。お楽しみに。

追伸。

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※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。

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